Fcloud Shizuoka 操作マニュアル
QGIS 4.0 以上対応
概要
Fcloud Shizuoka は、静岡県森林クラウド(fcloud.pref.shizuoka.jp)の公開APIと、 Shinrinbo Code Converter が生成した森林簿 GeoPackage を連携させる QGIS プラグインです。 ドックパネルから保安林台帳・森の力再生事業・経営計画・林地開発の情報を検索・閲覧し、 地図上でフィーチャーをハイライト表示できます。
・本プラグインで表示する保安林台帳・森の力再生事業・経営計画・林地開発などの情報は、 静岡県が公開するオープンデータおよび静岡県森林クラウドの公開データをもとに、 QGIS 上で参照しやすいよう取得・加工・編集して表示しています。
・本プラグインの表示は、既存の情報を重ね合わせて閲覧するための参考資料です。 申請・境界の確定・権利関係の判断などの根拠には使用しないでください。 判断は利用者の責任で行ってください。
できること
- 保安林台帳の地番照合・ハイライト表示
- 森の力再生事業の検索・実施箇所レイヤー表示
- 経営計画の読み込み・計画箇所レイヤー表示
- 林地開発(許可・連絡調整)の検索
- 森林資源情報(航空レーザ解析のオープンデータ)の取得・表示
- API取得データのローカルキャッシュ
対象データ
- 静岡県内の森林簿 GeoPackage
- 静岡県配布の森林計画図SHP
- 静岡県森林クラウド公開API
- MVT(Mapbox Vector Tiles)形式の地理データ
- G空間情報センター「静岡県森林資源解析データ」
画面構成
樹種 / 林齢 など
所有者情報(列がある場合)
| エリア | 内容 |
|---|---|
| 左パネル上部 | 接続する GeoPackage レイヤー/SHPレイヤーを選択するコンボボックス |
| 左パネルのタブの右側 | 「マニュアル」: このマニュアルを開くリンク |
| 左パネル「選択中の小班」タブ | 地図上で選択したフィーチャーの森林簿属性を表示 |
| 左パネル「クラウド情報」タブ | 右パネルの表で選択した行の詳細情報を表示 |
| 右パネル | 森林簿・保安林台帳・森の力・経営計画・林地開発の表示・検索、森林資源情報(オープンデータ)の取得・表示(整備事業タブは、森林クラウド側が未実装のため使えません) |
| 右パネルのタブの右側 | 「選択時のズームを無効化」: オンにすると、表の行を選択しても地図の縮尺を変えず、中心だけを選択位置に移します(既定はオフ。設定は保存されます)。 「画面ロック」: オンにすると、表の行を選択しても地図を動かしません(パン・ズームをしません。ハイライトは表示されます)。全タブに共通で、「選択時のズームを無効化」とは片方だけをオンにできます(既定はオフ。設定は保存されます)。 「別ウィンドウ」: パネルを QGIS 本体から独立した別ウィンドウで表示します。 |
| 右パネル下部のバー | レイヤー追加ボタン(林道、静岡県 微地形表現図)、データについて、キャッシュ操作(ローカル保存・更新) |
GPKG レイヤー接続
プラグインはプロジェクトに読み込まれた .gpkg 形式のレイヤーを自動検出します。 左パネル上部のコンボボックスから使用するレイヤーを選択してください。
森林簿
条件を指定して検索するタブではなく、地図上(接続中の GPKG/SHP レイヤー)で選択したフィーチャーの 森林簿属性をそのまま一覧表示するタブです。複数フィーチャーを選択した場合は、選択した数だけ行が表示されます。
接続レイヤーの種類による違い
| レイヤー種別 | 表示内容 |
|---|---|
| 森林簿属性を含む GeoPackage | GPKG に含まれる属性をそのまま表示します(ネットワーク通信なし) |
| CDのみの GeoPackage | MVT タイルで小班IDを解決したのち、森林簿APIから属性を取得して表示します |
| 森林計画図SHP | 森林簿属性を持たないため、表は空のままになります |
行選択とハイライト
テーブルの行を選択すると、対応するフィーチャーの位置に地図がズームし、ハイライト表示されます(「選択時のズームを無効化」がオンの場合は、縮尺を変えず中心だけを移します)。
所有者情報の表示と自動伏せ字
「森林簿属性を含む GeoPackage」に 登記所有者_漢字(名前)と 登記所有者_住所(住所)の列がある場合、
小班を選択すると「所有者情報」として名前と住所を表示します。
表示する場所は、「選択中の小班」タブの基本情報の末尾と、「クラウド情報」タブで森林簿の行を選択したときの下部です。
「クラウド情報」タブでは、森林簿の項目との間に区切り線を入れ、「計画図レイヤー情報」の見出しの下に表示します
(森林クラウドから取得した情報ではなく、接続中のレイヤーに含まれる情報です)。
「CDのみの GeoPackage」と「森林計画図SHP」では表示しません。
所有者情報は取り扱いに注意が必要な情報のため、QGIS で約 3 分間操作がないと、名前と住所を「*******」に自動で伏せます。 QGIS 上でマウスやキーを操作すると、元の表示に戻ります(他のアプリケーションでの操作は含みません)。 伏せている間は、「全項目をコピー」などのコピー操作でも、伏せ字のままコピーされます。
保安林台帳
静岡県森林クラウドの保安林台帳データを市町村・大字・地番で絞り込んで表示します。 接続した GeoPackage の地番データと照合し、一致状況を色分けで示します。
検索手順
行選択とハイライト
テーブルの行を選択(クリックまたは ↑↓ キー)すると、 対応するフィーチャーが地図上にハイライト表示され、自動的にズームします(「選択時のズームを無効化」がオンの場合は、縮尺を変えず中心だけを移します)。 ハイライトの色は地番の一致状況を示します(凡例参照)。
オプション機能
| ボタン | 説明 |
|---|---|
| 近傍データ ON/OFF | 地番の一桁・二桁ズレの近傍フィーチャーを黄・赤・橙でハイライト表示します。デフォルトはOFFです。 |
| 公図連携 ON/OFF | kozu_xml_integrator プラグインと連携し、行選択時に自動で公図を呼び出します。kozu_xml_integrator がインストールされていない場合は無効です(詳細は公図連携参照)。 |
ハイライト色の凡例
保安林台帳の行選択時、GPKG の地番データとの照合結果に応じて次の色でハイライト表示します。
| 色 | 意味 | 条件 |
|---|---|---|
| 青 | 完全一致 | 地番親番・枝番ともに GPKG と一致 |
| 黄 | 近似一致 | 地番親番は一致するが枝番が異なる(または GPKG に枝番なし) |
| 赤 | 近傍一致(一桁ズレ) | 親番の末尾1桁が異なるフィーチャー(近傍データ ON 時のみ表示) |
| 橙 | 近傍一致(二桁ズレ) | 親番の末尾2桁が異なるフィーチャー(青・黄・赤が存在しない場合のみ表示) |
| 赤枠 | 選択ハイライト | 森の力・経営計画・林地開発でレイヤー上の対象フィーチャーを示す |
森の力再生事業
森の力再生事業の実施記録を農林事務所・年度・事業区分・整備者で検索します。
検索手順
実施箇所レイヤー
「実施箇所レイヤー」ボタンを ON にすると、MVT から取得した実施ポリゴンをレイヤーとして追加します。 取得済みのキャッシュがある場合はすぐに表示され、ない場合は静岡県全域のタイルを取得します(初回は時間がかかります)。
経営計画
森林経営計画の認定状況と面積データを市町村別に表示します。
読み込み手順
「計画箇所レイヤー」ボタンを ON にすると、市町村ごとに色分けしたポリゴンレイヤーが追加されます。 テーブルの行を選択すると、対応する市町村エリアにズームします(「選択時のズームを無効化」がオンの場合は、縮尺を変えず中心だけを移します)。
林地開発
林地開発許可・連絡調整の情報を開発区分・申請者・開発目的・所在市町村で検索します。
検索手順
林地開発レイヤー
「林地開発レイヤー」ボタンを ON にすると、許可・連絡調整それぞれの MVT レイヤーを地図に追加します。 行を選択すると申請者名を MVT から照合して対象フィーチャーにズームします(「選択時のズームを無効化」がオンの場合は、縮尺を変えず中心だけを移します)。
森林資源情報
G空間情報センターで公開されている「静岡県森林資源解析データ」(航空レーザ計測をもとにした解析結果)を取得し、地図に表示します。 森林クラウドには無いオープンデータです。データの出典と扱いは、下部の「データについて」で確認できます。
表示までの手順
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 計画区 | 伊豆・富士・静岡・天竜。接続している計画図レイヤーの計画区が初期値になります |
| 種類 | メッシュ/樹種ポリゴン/単木ポイント/林相識別図(下表) |
| 番号 | 「計測年度-番号(解析範囲にかかる市町)」の形。番号が同じものは同じ解析範囲です |
| 一覧を更新 | G空間情報センターからデータの一覧を取り直します。一覧は保存されるので、次回からは回線がなくても選べます |
| 取得し表示 | 選んだデータを取得して表示します。取得済みなら、そのまま表示します |
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| メッシュ | 20m 四方ごとの樹種・立木本数・材積・樹高・傾斜など(森林資源量集計ポリゴン)。一部の解析範囲では、20m 四方ではなく小班ごとの集計(第1〜第3樹種ごとの面積・本数・材積など)が入っています |
| 樹種ポリゴン | 樹種の広がり。解析範囲によって形が違い、20m(または10m)のセルのままのもの、樹種ごとにまとめた大きな形のもの、小班ごとの集計(第1〜第3樹種)、樹冠ごとの細かい形のものがあります |
| 単木ポイント | 1本ごとの樹種・樹高・胸高直径・材積。スギ・ヒノキ類のみです |
| 林相識別図 | 樹種・樹冠の特徴を色で表した画像(0.5m)。1件あたり数百MB〜2GB程度あり、取得前に容量を確認します。見た目を変えずに容量を減らした形で保存します |
樹種の色分け
樹種の書き方は解析範囲によって違う(「ヒノキ」と「ヒノキ類」、「広葉樹」と「その他L」など)ため、取得するときに書き方をそろえた列
樹種_統一 を作り、その列で色分けします。元の樹種の列はそのまま残ります。
| 色分けの区分 | まとめるもの(例) |
|---|---|
| スギ | スギ |
| ヒノキ類 | ヒノキ類、ヒノキ |
| マツ類 | マツ類、マツ |
| その他N | その他N、その他の針葉樹 |
| その他L | その他L、広葉樹、広葉樹林 |
| タケ | タケ、竹林 |
| 伐採跡地・その他・森林外・新植地 | そのまま |
小班ごとの集計のデータは、第1樹種で色分けします。樹種の列が無いデータは色分けしません。 どちらの場合も、表示したときに下部の状態表示でお知らせします。
表と地図
計画図レイヤーで小班を選ぶと、表示中のデータのうち選んだ小班にかかる地物が表に出ます(森林簿タブと同じ操作です)。 表の行を選ぶ(クリック・十字キー)と、その地物を地図上で赤くハイライトしてその位置へ移し、左パネルの「資源情報」に属性を表示します (「選択時のズームを無効化」がオンの場合は、縮尺を変えず中心だけを移します)。
樹種ごとにまとめた大きな形の樹種ポリゴンは、1件が広い範囲にまたがるため、小班での絞り込みと地図の移動は行わず、全件を表に出します。 小班ごとの集計や樹冠ごとの細かい形のデータは、メッシュと同じく選んだ小班で絞り込みます。
小班を選んでいないときは、表の場所にデータ全体の統計を出します(メッシュ・単木ポイント)。 セル数(単木ポイントは本数)、データのある面積、材積のある森林の面積、材積合計、ha材積、立木本数・立木密度、平均樹高・平均直径、樹種ごとの数と、 計画図との重なり(範囲にかかる市町・林班の範囲・小班数)です。統計は初めて開いたときだけ時間がかかり、次からは保存した結果を出します。
- ha材積・立木密度・平均樹高・平均直径は、材積のある森林(スギ・ヒノキ類など、材積が入っているセル)だけで求めます。 広葉樹などのセルは材積・本数が 0 のため、「データのある面積」には含めますが、haあたりの値と平均の計算には含めません
- メッシュに小班ごとの集計が入っているデータでは、小班数で数えます。材積のある森林の面積は、第1〜第3樹種のうち材積のあるものの面積の合計です。平均樹高・平均直径は出しません
表示と保存
表示できるデータは1つだけで、別のデータを表示すると、前のデータと入れ替わります。
fcapital_data_shizuoka/shared/ に保存します。QGIS プロジェクトが保存されていない場合は取得できません。
データは大きく、プロジェクトフォルダが同期フォルダ(Dropbox など)にある場合は同期の対象になる点に注意してください。
パソコンについて
森林に関する情報は、大きなデータを扱います。特に「森林資源情報」タブで扱う航空レーザ解析のデータは、 1つの解析範囲で数百MB〜数GBになります(例:賀茂地区の5範囲で、林相識別図を含め約9GB)。
本プラグインでは、軽く動かすために次のことを行っています。
- 取得したデータは、空間インデックス付きの GeoPackage として保存し、2回目からは回線を使わずに素早く読み込む
- 林相識別図は、見た目を変えずに容量を減らし、縮小表示用の画像(ピラミッド)を付けて保存する
- 表に出すのは、計画図で選んだ小班にかかる地物だけにする
- 地図に表示する森林資源情報は、常に1つだけにする
- 取得や変換は裏側で行い、その間も QGIS を操作できるようにする
それでも、次のような場面では、パソコンの性能によって待ち時間が大きく変わります。
- データの取得(回線の速さ)と、取得後の変換(ディスクの速さ・CPU のコア数)
- 林相識別図や単木ポイント(数十万〜数百万点)を、広い範囲で表示するとき
- 大きなデータを、ほかのレイヤーと重ねて表示するとき
一般的な事務作業向けのパソコンより、次のような余裕があるほど快適になります。
- メモリに余裕がある
- データを保存するドライブが SSD である
- 保存先のドライブの空き容量に、取得するデータの数倍の余裕がある(取得の途中で一時ファイルを使います)
- CPU のコア数が多い(林相識別図の変換が速くなります)
森林クラウドのタブ(森林簿・保安林台帳など)だけを使う場合は、これほどの性能は必要ありません。
公図連携(kozu_xml_integrator)
kozu_xml_integrator プラグインがインストールされている場合、 保安林台帳・森林簿タブの「公図連携 ON/OFF」ボタンを ON にすることで、 テーブルの行選択のたびに対応する大字・地番を kozu_xml_integrator 側へ自動送信し、 法務局地図(公図)を検索・表示できます。
| 送信元タブ | 大字として送信する値 | 地番として送信する値 |
|---|---|---|
| 保安林台帳 | 大字 | 親番(枝番がある場合は「親番-枝番」に結合) |
| 森林簿 | 大字名称 | 地番_親番と地番_枝番を「親番-枝番」に結合 |
キャッシュ機能
APIから取得したデータはプロジェクトフォルダ内の fcloud_shizuoka/ ディレクトリに
SQLite データベースとして保存できます。次回以降はキャッシュから即座に読み込まれます。
| ボタン | 動作 |
|---|---|
| ローカル保存 | 現在表示中のデータをキャッシュに保存します |
| 更新 | API から再取得してキャッシュを上書きします |
| 取得日時ラベル | 現在のキャッシュの取得日時を表示します |
タブ別のキャッシュ動作
| タブ | キャッシュ形式 | 備考 |
|---|---|---|
| 保安林台帳 | SQLite(市町村別) | 連携GPKGに含まれる市町村範囲を保存・更新。大字リストも自動キャッシュ |
| 森の力 | SQLite(検索条件別)+ GPKG | テーブルデータと実施箇所ポリゴンを別々にキャッシュ |
| 経営計画 | SQLite(全件)+ GPKG | 読み込み時に自動保存。次回はキャッシュから高速読み込み |
| 林地開発 | SQLite(検索条件別) | 市町村・開発区分・開発目的の組み合わせでキャッシュ |
| 森林資源情報 | GPKG + GeoTIFF | fcapital_data_shizuoka/shared/ に保存。取得済みのデータは回線がなくても表示できる。下部の「ローカル保存」「更新」は使わない |
レイヤー追加機能
ドック下部の「レイヤー追加」エリアから、補助的なレイヤーをワンクリックで追加できます。
| ボタン | 追加されるレイヤー |
|---|---|
| 林道 | 静岡県森林クラウドの林道 MVT レイヤー(fcloud_林道) |
| 静岡県 微地形表現図 | 森林クラウドの背景タイル(CS立体図)。追加済みならボタンは無効。終了後も通常のレイヤーとして残ります |
各タブのレイヤーボタン(実施箇所・計画箇所・林地開発)で追加したレイヤーは、そのタブを開いているあいだだけ表示されます。
動作要件
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| QGIS バージョン | 4.0 以上(4.x 系) |
| 動作確認環境 | QGIS 4.2.2(Windows、Linux は Flatpak 版) |
| インターネット接続 | 必須(API・MVTタイルへのアクセス) |
| GeoPackageまたはShapefile | Shinrinbo Code Converter で生成した静岡県森林簿データ または静岡県配布の森林計画図SHPファイル |
| 対象地域 | 静岡県内のみ |
インストール
QGIS公式リポジトリからのインストール手順(推奨)
- QGIS のメニューから プラグイン → プラグインの管理とインストール を開く
- 「すべて」タブで Fcloud Shizuoka を検索する
- プラグインをインストール をクリックする
- インストール後、ベクタツールバーに森林クラウドアイコンが追加される
ZIP からのインストール手順
- 配布された
fcloud_shizuoka.zipをダウンロードする - QGIS のメニューから プラグイン → プラグインの管理とインストール を開く
- 左側の「ZIP からインストール」タブを選択する
- 「…」ボタンで先ほどの ZIP ファイルを選択し、プラグインをインストール をクリックする
- インストール後、ベクタツールバーに森林クラウドアイコンが追加される
アップデート
QGIS公式リポジトリからインストールした場合は、
プラグインの管理とインストール → アップグレード可能 に表示され次第、通常のプラグインと同様に更新できます。
ZIP からインストールした場合は、新しい ZIP を配布された際に同じ手順で上書きインストールしてください。
または プラグインの管理とインストール → インストール済み から
Fcloud Shizuoka を一度アンインストールしてから再インストールしてください。
Fcloud Shizuoka / 静岡県専用プラグイン / Developed by Avid Tree Work / Author: Hideharu Masai